月と願い

月に願いを書く夜。「連絡がほしい」の、その先へ

連絡が来たら、ふたりで何を話したい? 月の夜に書く、まだ送らない三行の手紙。

文・紗月 / 出典確認:
夜の窓辺に置かれた便箋と一輪の花の写真調のイメージ
この記事のための写真調イメージ。実在の人物や体験を撮影した写真ではありません。

「連絡が来ますように」と書いたあと、しばらくペンが止まる。もし返事が来たら、何を話したいでしょう。次に会えたら、どんな時間を過ごしたいでしょうか。今夜はそこまで、三行の手紙にしてみます。月を見上げた日から始められる、本誌オリジナルの書き方です。紙と筆記具を用意して、五分ほど。誰かに送るための文章ではないので、言葉を飾らずに書いてください。

新月に書いて、満月に読み返す

月の満ち欠けは、太陽・月・地球の位置関係によって、地球から見える明るい部分が変わることで起こります。新月から満月へ、そしてまた新月へ。その変化を、恋の願いを読み返す目安にするのが本誌の提案です。

新月に書き始めて、満月に開いてみる。どちらにも間に合わなかったら、書きたい夜からでかまいません。月の形を確かめるときは、国立天文台の「こよみの計算」で日付と地域を選んで調べられます。

一分目。いちばん言いたいことから

特別な便箋も、ろうそくも要りません。日付を書いて、最初の一行は思ったままに。「連絡がほしい」「会いたい」「あの人の特別になりたい」。普段なら口に出すのをためらう願いも、ここには書けます。

「こんなことを言ったら重いかな」と直したくなったら、まだ誰にも送らない手紙だった、と思い出して。相手への伝え方を考えるのは、あとで十分です。名前を書くと落ち着かないなら、「あの人」のままにしておきましょう。

二、三分目。会えたら、どう過ごしたい?

二行目には、願いが叶ったあとの場面を。「毎日連絡をくれる」と書きたいなら、その連絡で何を話したいかも考えます。「帰り道に、今日あったことを気軽に話したい」。回数だけでは書けなかった、ふたりで過ごしたい時間が言葉になります。

「私だけを見てほしい」が出てきたら、何があるとそう感じられるのか。「会う日を決めるときに、私の都合も聞いてほしい」という願いかもしれません。関係をはっきりさせたいのか、予定を一緒に考えてほしいのか。今の気持ちに近い言葉を探します。

四、五分目。私は、どうしたい?

三行目は、自分がすることです。「次に話せたら、あのお店に一緒に行きたいと伝える」「予定が曖昧なので、一度だけ確かめる」「今夜は送らず、明日もう一度読む」。今日は何もしないと決めたなら、そう書いてもいいのです。

三行を続けると、こんな手紙になります。「あの人から連絡がほしい。次に会えたら、急がず近況を話せる時間がほしい。私は、都合のよい日を一度尋ねてみる」。相手が返事をするか、どんな返事をするかは、ここでは決められません。自分の三行を書き終えたら、紙をたたんで本や封筒へ。五分を超えて続けても、一行だけで終えても大丈夫です。

次に開いたとき、違う願いになっていても

次の満月や、自分で決めた日に開いてみる。「会いたい」の横に、「でも、私ばかり予定を空けている」と書きたくなるかもしれません。反対に、前より楽しみに待っていることもあるでしょう。前に書いた願いを守ろうとせず、その日の気持ちを隣に残します。

雲の夜なら、窓を開けずに机で。月が見えなかったことも、書き損じも、恋の不吉なしるしにしなくていい。読み終えた手紙は、とっておいても処分してもかまいません。

書き終えた三行を、今夜は送らずにしまっておく。次に開いたとき、何を願っていたかを思い出せる手紙です。

この手紙の出典・読み方

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